螺旋

細胞は三ヶ月経つと入れ替わるらしい。
それなら今のわたしはいったい誰なんでしょう。


毎晩夢を見る。
鑑賞する自分を俯瞰する。
「現実では有り得ない」と入り混じりながら、面白おかしく観続ける。


夢の登場人物は増えないまま、時間だけが過ぎた。
お決まりの人間たちが現れて、脳内で不思議な物語を教えてくれる。

まるで他人事のひととき。
違和感もお構いなしに創り上げてゆく。


鑑賞を繰り返すと辿り着く問い。
不要な情報とは、どこまで不要なのか。

記憶や感情を整理するための夢だけれど、忘れてしまっては考えることもできない。

成長と退化を同時進行しているような浮遊感。


この瞬間が一番若い。
胸に抱いて歳を重ね続けるのはいいけれど、世間を悟った気にはなりたくない。


一年後の私は、この文章を書いているわたしを笑うでしょうか。


読み取ったものに反応して臓器が動く。
この感情はこうだと振り分ける。


臓器の動きで感情が決まるなら、
その感情の名前を決めるのなら、
今のあなたはなにを考えているのか。


無表情でも笑顔でも関係ない。わたしは体内の動きまではわからないよ。


時間だけは平等に動いている。
「変化は必要不可欠で止められない」とよく言います。


それでも今ここにいるわたしの感情を、過去の情報で終わらせないで。


また深く考え込んだあとに夢へ潜り込むとしたら。
さて、今日の細胞分裂はどうなるのでしょう。