捕食
若鶏の肝と心臓をゆっくり切り離す。
丸みを帯びた小さな心臓を掴む。
ぬるぬる動き回り、私の手から逃げていく。
最近、自炊をする機会が増えた。
今すぐ頬張って腹を満たしたい。
下処理は面倒な時間だと、つい思ってしまう。
君を食べる選択は、食中毒の危険も秘めているわけで。
体内で最後の抵抗をするかのよう。
そう考えると形を無くしても生きている気がして、薄気味悪い。
包丁を通して小さくなる君を見つめる。
今日も塩焼きにしよう。
これほどまでに塩を欲するのは、遥か昔に海から生まれたとかいう名残だろうか。
海から陸、魚から人、進化。
それって私に関係あるの?
君を食べ続ける私は、どこに向かうの。
肝と心臓の食感を噛み締める。
腹が鳴る。
暗い暗い夜。